昭和時代の漫画(アニメ)で有名なものの一つに
「ベルサイユのばら」があります。
「ベルサイユのばら」は、フランス革命前後を史実を参考に
描かれたものです。
当時、日本の女子学生たちの世界史の中世の成績が上がったと言われるくらいの
影響力を与えたと思われます。
確かに魅力と躍動感あふれるキャラクターばかりで、
そこを入り口として、いろいろ自分で調べたくなりますよね。
そんなたくさんの少女に影響を与えた「ベルサイユのばら」をまとめました。
「ベルサイユのばら」とは
「ベルサイユのばら」は、18世紀末のフランスを舞台とした物語。
1972年に週刊マーガレットにて連載が始まりました。
作者の池田理代子による美麗なイラストと、キャラクターたちの情熱的なドラマが、
多くの読者に愛され、日本国内にとどまらず、海外でも多くの読者に支持されました。
アニメ化や舞台化、映画化などさまざまなメディアで展開されました。
特に、日本の少女漫画の黄金時代において、
この作品は非常に影響力のある作品とされています。
そんな才能あふれる池田理代子先生についてはこちらに詳しく書いています。
リアル「ベルサイユのばら」か?と思われるくらいの麗しい先生なんです。
「ベルサイユのばら」あらすじ
マリー・アントワネットはオーストリアの皇女として生まれ、14歳の時にフランスのブルボン家に嫁ぎました。彼女は王妃としての役割に戸惑い、宮廷生活で孤独を感じ、その孤独を和らげるためにスウェーデンの貴族フェルゼン伯爵と恋に落ちます。
オスカルは、由緒ある将軍家の5女として生まれました。男が欲しかった父親の希望で、オスカル(ヘブライ語で神と剣という意味)という男の名前をつけられ、男として育てられます。マリーアントワネットの護衛をするために、マリーと出会います。
マリー、オスカル、フェルゼンが出会った時、みんな18歳でした。この3人を中心に、歴史と情熱の中で描かれている愛と情熱の物語が「ベルサイユのばら」です。
マリーは異国に嫁ぎ、孤独でした。その孤独感を埋めるために、浪費と恋愛にのめり込みますが、これが少しづつ国内の不満と敵意を引き起こします。
フェルゼンとマリーはお互いを愛していましたが、純愛でした。オスカルはフェルゼンに片想いしています。そしてオスカルの護衛のアンドレはオスカルに片想いしています。
オスカルは貴族の生まれながらも、国民の苦境に心を打たれ、王宮専属の衛兵隊を辞めて国民の側に立つ決心をします。
片思いをしていたフェルゼンへの恋に終止符を打ち、アンドレ・グランディエへの愛が芽生えていきます。オスカルは唯一、アンドレの前でだけは、本当の女性としての自分になれるのです。
革命の波が押し寄せ、オスカルは国民側として国王軍と戦います。そして、1789年7月13日にアンドレは亡くなり、7月14日バスティーユ牢獄が陥落すると、オスカルは後を追うように亡くなります。その後、フランス革命が進行し、王妃アントワネットは監獄へ入れられます。フェルゼンが国王一家を助けるために奔走するも処刑されます。
フェルゼンはスウェーデンに帰国し、民衆によって殺害されます。
この物語は、愛、友情、革命の中での犠牲をテーマに、3人の運命が交錯する様子を詳細に描写しています。歴史的な背景の中でさまざまな人間模様が鮮やかに表現され、読者に深い感動を与えています。
ベルサイユのばらキャラ紹介、相関図
オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ
オスカルは元気で鳴き声が特に元気だったため、男子が欲しかった父親の希望で男児として育てられました。オスカルは女性でありながら、王太子妃アントワネットの護衛を務める近衛士官に選ばれます。彼女は冷静で見かけによらず情熱的な性格を持っており、王太子妃アントワネットに忠誠を誓ったように見えても、実際には心の底からフランスと王室のために命を賭けていたわけではなく、フランスや王室にはあまり興味を持っていませんでした。彼女の価値観は一般的とは異なり、貴族社会を軽蔑しつつ、国民の苦しみを目の当たりにし、近衛隊を辞し、フランス衛兵隊に移りました。オスカルは革命の勃発後、労咳という病気にかかっていることに気づき、衛兵隊を率いて民衆側に立つ決意をします。長年側にいた幼馴染のアンドレの気持ちに気づき、出撃の前夜、女性としてようやく結ばれます。彼女はバスティーユ襲撃の際に銃撃で命を落とし、一市民としての生涯を終えます。
アンドレ・グランディエ
アンドレはジャルジェ家の馬の世話人で、オスカルの幼馴染でもあります。彼は貧しい家庭で育ち、8歳で母親が亡くなった後は祖母に育てられました。オスカルとは身分が違うのにタメ口で接します。オスカルも、男らしい軍人であることを周りに期待される中、唯一心を許せるのがアンドレでした。彼はオスカルに恋をし、オスカルがジェローデルとの求婚を受けると嫉妬や苦悩に悩まされます。アンドレは黒い騎士との戦闘で左眼を失明し、その後もオスカルを守るために衛兵隊に参加します。彼は失明が進行し、最終的には完全に盲目になります。アンドレはオスカルに愛を告白し、お互いに愛し合う関係となります。彼らは共に革命に参加し、アンドレはオスカルを庇って戦死します。
オスカルとアンドレの2人の考察についてはこちらにいろいろ書いています。
マリー・アントワネット
物語の主人公のひとり。オーストリアの女帝マリア・テレジアの娘で、後にフランスのルイ16世の王妃となります。彼女はとても美しく誇り高いのですが、物事を深く考えず、王妃であることより「自分」であることを優先するという欠点を持っています。王妃の公務や世継ぎ誕生を望む周囲の重圧から逃れようと自由で贅沢な生活を送り、次第に国民から非難されます。フェルゼンと出会い、居場所がなかったマリーアントワネットはフェルゼンとの恋にのめり込みました。オスカルとは親友のような関係で、何でも彼女に打ち明けて頼りにしています。マリー・アントワネットは時間とともに成熟し、本来の気高さに目覚めますが、国民の声を最後まで聞けなかったことで、革命を武力で鎮圧しようとし、彼女は王家の子どもたちとともに囚われ、革命軍によって捕らえられてしまいます。その後断頭台で処刑されます。
アクセル・フォン・フェルゼン
フェルゼンは容姿端麗で知性的な青年で、オスカルと親友です。アントワネットを庇い、負傷するまでオスカルが女性であることを気づきませんでした。舞踏会で自分のために最初で最後のドレスを着た貴婦人が、実はオスカルであったことを知り、初めてオスカルの気持ちに気づきます。すでにマリー・アントワネットと恋仲だったフェルゼンはオスカルと距離を取ることを決めます。アントワネットがスキャンダルに巻き込まれることを悲しみ、支えになりました。アメリカ独立戦争に参加し、彼女のために力を尽くします。フランス革命が始まると、家族や国王一家の反対を振り切ってフランスに向かい、彼女たちを救おうとしましたが、アントワネットを失う運命に翻弄されます。アントワネットを失った後、フェルゼンは失意と怒りに満ちた心情から、民衆に対する冷酷な支配者として振る舞い、弾圧を行いました。しかし、この行動が民衆の怒りを買い、最終的には暴徒によって虐殺されました。
「ベルサイユのばら」見どころ
なんといっても池田理代子先生の麗しい挿絵です!!
白黒でも、艶々、キラキラ感が伝わり、まるでカラーかのように感じてしまうくらいの
麗しさです。
そして次に、なんといっても歴史のお勉強ができるところ。
オスカルやアンドレは架空の人物ですが
マリー・アントワネットやフェルゼン、ルイ16世などは実在した人物で、
大まかなフランス革命までの流れを掴むにはもってこいの漫画です。
ベルサイユのばらがきっかけになって、
世界史に興味を持ち、本格的に勉強し始めたという友人が
私の周りに何人かおります(笑)
そしてそして、なんといっても「愛の物語」であるということ。
愛を一つ語るにも、セリフがいちいち詩的で美しいのです。
「本当にあなたのことを愛しています」ということを、
「愛しています」の言葉では済まさないのです。
現代の若者の恋愛の参考には・・・・ならないと思いますが、情緒は豊かになります。
熱くて、暑苦しい恋愛ばかりゆえ、胸がキューンとなるような名言も多数!!
昭和の漫画ですが、今でも十分楽しめる、本当に読んで欲しい漫画の一つです。